あまり使用されないRAIDレベル
各RAIDレベルの特徴について詳しく説明いたします。それぞれのRAIDレベルには、メリットだけでなくデメリットも必ずありますので、ご自分の目的にあったものがどのレベルなのか、良く吟味してみてください。
RAID3【レイド・スリー】
別名: | - |
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必要HDD数: | 最低3台 |
概要
データを複数ドライブに分割して記録し、更にエラー修正用の「パリティ」という冗長コードを専用のドライブに記録する方式です。RAID2のECCをパリティに置き換えることで演算にかかる処理の負荷を軽減しています。
冗長コードにはRAID5などと同様にパリティを使用しますが、データの分割はブロック(セクタ)単位ではなくbitやbyteといった容量単位で行われます。
データ部はストライピングにて書き込まれる事で高速化が図られていますが、パリティが専用のドライブとなっている為、ここがボトルネックとなります。
なお、現在市販されているRAID製品でRAID3が採用されているものはほとんどありません。
RAID3のしくみ
メリット
- パリティを利用する為、冗長コードの計算でRAID2の様な速度面での性能低下はない。
- 分割されたデータは全てのデータドライブへ並行して一括転送される為、アクセス速度は高い。
- 構成HDDの数-1台分の容量が使用できるので利用効率は高い。
デメリット
- データの分割がbitやbyte単位で行われる為、RAID5などに比べ読み書きの効率が悪い。
- 冗長データの書き込みが一台のパリティドライブに行われる為、書き込み処理でボトルネックが生じる。
- 複数ドライブへ同時にアクセスする為に同期機能を持った特殊なドライブが必要になるなどコストがかかる。
基礎から押さえるRAID講座 目次
- vol.1 RAIDとは何か?(1)
- vol.2 RAIDとは何か?(2)
- vol.3 RAID導入の目的(1)
- vol.4 RAID導入の目的(2)
- vol.5 RAID導入の目的(3)
- vol.6 RAIDの弱点
- vol.7 基本的なRAIDレベル RAID0
- vol.8 基本的なRAIDレベル RAID1
- vol.9 基本的なRAIDレベル RAID5
- vol.10 基本的なRAIDレベル RAID6
- vol.11 あまり使用されないRAIDレベル RAID2
- vol.12 あまり使用されないRAIDレベル RAID3
- vol.13 あまり使用されないRAIDレベル RAID4
- vol.14 組み合わせRAIDレベル RAID0+1
- vol.15 組み合わせRAIDレベル RAID10
- vol.16 組み合わせRAIDレベル RAID50
- vol.17 目的・用途別お勧めRAID構成(1)
- vol.18 目的・用途別お勧めRAID構成(2)