認識しないUSBメモリのデータ復旧

認識しないUSBメモリのデータ復旧

物理的な障害はデータ復旧ソフトでは復旧できません

USBメモリをパソコンに挿入しても、反応しなかったり、
「容量0MB」「容量5MB」などと表示され、
全く認識されない場合「物理的な障害」を起こしている可能性があります。

物理的な障害」は「データ復旧ソフト」では復旧することができません。
データ復旧ソフトは、削除したデータの復旧には威力を発揮しますが、
「USBメモリ自体を認識できない」場合には無力です。

このような場合でもあきらめないでください。
データSOSの専門技術により復旧できる可能性は残されています。

なぜ認識しなくなるのか、
どのように復旧するのか、
その原理と手法を詳しくご案内します。

USBメモリはなぜ認識されなくなるのでしょうか?

USBメモリ内部の「コントローラー」が故障すると、パソコンで認識されなくなります。
USBメモリの内部構造は、データを蓄える「NAND型フラッシュメモリ」、パソコンとやりとりする「コントローラー」のチップが基板上に貼り付けられています。

USBメモリを分解。基板にコントローラーとNANDメモリチップが実装されている

NANDメモリチップは「メモリセル」に電子を蓄えることでデータを記録します。
原理上、同じメモリセルばかりが使われると、電子を蓄える酸化膜の劣化により記録できなくなります。

そのため、平均してメモリセル全体にデータが書き込まれるように調整する必要があります。
また、高速化を図るため、大きな領域を分割し、再結合するなど、様々で複雑な技術が使われています。

これらの機能を司るのが「コントローラー」です。
このコントローラーが故障することにより、USBメモリが認識されなくなる。
即ち、保存したデータにアクセスすることができなくなります。

USBメモリの動作模式図

コントローラーの故障の原因

コントローラーの故障は、NANDメモリチップのメモリセル(素子)が劣化で壊れることに起因します。
コントローラーは壊れたメモリセルを使わないように制御を行いますが、
メモリセルの劣化が急速に進むと、コントローラーはオーバーフローを起こして制御できなくなり、動作を停止します。

NANDメモリチップの素子が急速に劣化が進むとコントローラーは制御できなくなる

また、静電気などの影響でコントローラーが自身が破損することもあります。

認識されないUSBメモリ復旧の方法とサービスの流れ

STEP1 初期診断(無料)

お預かりしたUSBメモリが専用機材で認識するか確認します。復旧の見込みがあるかを検討し、処置の方針を立てます。
NANDメモリチップ自体が割れている、ヒビが入っている等の場合、内部の配線が切れていることが多く、対応不可能です。

STEP2 NANDメモリチップの剥離処置・ダンプデータの取得

コントローラーの故障により、データにアクセスできなくなった場合、コントローラーを経由せずに、直接NANDメモリにアクセスして強制的にダンプデータ(生のデータ)の取り出しを試みます。
メモリチップを取り外し、専用の機材でダンプデータを取り出す

基板に半田付けされているNANDメモリチップを丁寧に剥離し、専用機材でチップ内のダンプデータを取り出します。
お客様の了解を得てから、剥離作業を行います。

STEP3 組み上げ

ダンプデータを元のデータの形に組み上げます。
吸い上げたダンプデータはそのままではファイルの形になりません。ばらばらになったジグソーパズルのような状態です。
フラッシュメモリは劣化を避けるため同じ場所だけに書き込まれないようにコントローラーで分割、ビット反転、排他的論理和等々複数回の演算を行った上で記録します。どのような演算をおこなっていたか、時間を掛けて解析します。

メモリコントローラーの挙動をエミュレートする

STEP4 イメージ生成

組み上げが終わると最終的にディスクイメージ(パーティションのようなもの)が生成されます。

STEP5 論理解析

ディスクイメージを論理解析します。ディスクイメージがきれいな状態なら、そのままツリー状のファイルシステムが出現し、ファイルが取りだせますが、ファイルシステムが破壊されている場合、ファイルヘッダによる切り出し処置(ファイルの種類での強制回収)となることもあります。

※データに破損が多い場合などは、STEP3~5を何度も繰り返します。

STEP6 復旧

復旧データを取り出し、納品用メディアへ書き込みます。

フラッシュメモリとは?

手軽さと手頃な値段で主流に

「フラッシュメモリ」は扱いやすくて大容量、さらに小型で安価という四拍子揃った大変魅力的なストレージデバイスです。メモリーゆえに読み書き速度も非常に速く、ハードディスクやフロッピーディスクのように駆動機構も必要なく、ポンと差し込むだけで手軽に使える利便性から爆発的に普及しました。

形状もキーホルダー型の「USBフラッシュメモリ」をはじめ、デジタルカメラ、携帯電話やスマートフォンに差し込むタイプの「カード型フラッシュメモリ」があり、利用シーンに応じて大変多くの種類が販売され、家電量販店はおろか今やコンビニエンスストアでも数百円で気軽に購入することができ、誰でも数個は所有するほどに普及しています。かつてのフロッピーディスクにとって代わりリムーバブルメディア(可搬媒体)の主流となっています。

フラッシュメモリとSDカードの特長

USBフラッシュメモリとSDカード

やはり欠点もある

このように長所ばかりのように見えるフラッシュメモリですが、欠点もあります。
データを蓄えておく「NAND型フラッシュメモリ」は半導体なので劣化がないように思われがちですが、データの書き込み(書き換え)回数に上限があり、記憶素子(セル)は徐々に劣化が進みます。また、書き換えなければ大丈夫と言うわけではなく、記憶を保持できる期間が比較的短く、長期保存には向きません。価格が安いからといって、撮った写真のデータをPCにコピーせず、カードに入れたままの状態で保存しているユーザーは注意が必要です。安価なフラッシュメモリは、たった5年程度でデータが「蒸発」してしまう質の悪いものも存在します。

USBメモリの中にはNAND型フラッシュメモリが入っている

USBフラッシュメモリの内部にはNAND型フラッシュメモリが入っている

小ささ所以のトラブルも

また、小型で持ち運びしやすいゆえの障害も多発しています。キーホルダー代わりに毎朝カバンに放り込んで乱暴に持ち歩いたり、頻繁に抜き差しを繰り返すことにより、コネクタ部や、基板に対してストレスを生じさせてしまうことや、パソコンに接続中、USBコネクタから「突き出した」状態となるため、意図せずぶつけてしまうといった外圧による破損が見られます。また、正規の手順を踏まずにいきなり脱着するなど雑な取り扱いが原因で破損することも少なくありません。

フラッシュメモリによくみられるデータ障害と原因

論理的障害

論理的障害はフラッシュメモリそのものに故障が発生している訳ではありません。
保存されているデータを管理する情報である「ファイルシステム」の破損により、データが消失または破損したものです。フラッシュメモリをアクセス中に抜いたり、正しい手順で取り外さなかったときに発生するケースが多数みられます。また持ち運びの手軽さからネットカフェなどの不特定多数が使用するパソコンに接続するなどしてコンピュータウィルスに感染します。このようなコンピュータウィルスには別のパソコンも感染させる構造をもっていたり、内部に保存されたデータを消去、あるいは書き換えろといった悪質なものがみられます。また、正確には障害ではありませんが、誤ってデータを削除してしまった場合も論理的障害のデータ復旧手法にて失ったデータの回復が期待できることがあります。

論理障害はインデックス(目次)が消えただけで、データの実体は残っていることが多い

論理障害は目次が消えただけで データは残っていることが多い

物理的障害

物理的障害はフラッシュメモリそのものに故障が起こったものです。
フラッシュメモリは小型で持ち運びが容易なことから、職場と自宅の間でもデータの移動等に持ち歩いて使われることが見られます。特にUSBメモリはキーホルダーなどにくくりつけて持ち運ぶなど、内部にストレスを与えていることがあり、プリント基板上のハンダクラック、コントローラチップやフラッシュメモリチップの破損により、パソコンに差し込んでもディスクドライブとして正しく認識されなくなる障害が発生します。また、パソコンに差し込んだときに「出っ張り」となるために、身体や物やぶつけてしまうなどしてUSBコネクタや基板を折ってしまう事故も多くみられます。

パソコンにつないだ状態でぶつけてコネクタが折れ曲がったUSBメモリ

パソコンにつないだ状態で、ぶつけてしまったUSBメモリ

フラッシュメモリの構造とデータ復旧方法

フラッシュメモリーはデータを格納する「NAND型フラッシュメモリー」と、それを司る「コントロールチップ」から成り立っています。

USBフラッシュメモリの構造模式図

USBフラッシュメモリの構造

基板やコネクタへのストレスによる物理障害の場合、基板上にある電子部品の再実装やワイヤリングをやりなおすことでデータが回収できるレベルまで一時的に修復し、その間にデータを取り出します。
一方、コントロールチップが故障している場合は厄介です。パソコンに接続しても認識されない、あるいはパソコンに接続して認識はされても容量が「ゼロバイト」と表示されるといった、誤認識が発生し、データが正しく読み取れなくなります。
このような場合、メモリチップを基板から剥離し、メモリチップから専用の機器を用いて直接データを吸い上げます。

SDカードからフラッシュメモリを取り外す

SDカードからフラッシュメモリを取り外す

フラッシュメモリのピンを清掃

フラッシュメモリのピンを清掃

コントローラの仕様が不明なものはデータ復旧を一段と困難にさせます。特に複数のメモリチップから大容量の保存容量を生み出している製品は、どのような規則で動作しているのかはコントローラチップが管理しており、単純にすべてのチップからベタデータを取り出したところで意味のない暗号のような数字の羅列にすぎず、組み合わせのアルゴリズムが解析できない限りデータとしての利用はできません。
例えば、1個のコントローラと2個のフラッシュメモリで構成されている場合、「データSOS」という文字データがおさめられていると、下記のようなイメージです。

メモリのコントローラーチップの挙動模式図

あなたの大切なデータを取り戻す第一歩、
それは「専門家」に相談することです。

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