基礎から押さえるRAID講座 vol.7

基本的なRAIDレベル

各RAIDレベルの特徴について詳しく説明いたします。それぞれのRAIDレベルには、メリットだけでなくデメリットも必ずありますので、ご自分の目的にあったものがどのレベルなのか、良く吟味してみてください。

RAID0【レイド・ゼロ】

別名:ストライピング
必要HDD数:最低2台
概要

2台以上のHDDを組み合わせて一つのストレージとして扱う仕組み。
データはブロック単位で分割されて複数のHDDに対して同時並行的に処理される為、通常よりも処理速度が高速になります。
反面、冗長性は備えておらず、構成するHDDのうちどれか1台に障害が発生するとシステム全体が動作不能となり、全てのデータへのアクセスが不可能となります。

なお、「RAID」の「R」=冗長性(Redundancy)を持たない事から「RAID」には含まれないとの解釈もありますが、ストライピングはRAIDにおける高速化技術の基本となっており、多くのRAID製品でサポートされています。

RAID0のしくみ

[1]データはRAIDコントローラー上でブロック単位に分割されます。

[1]複数のHDDに分散して書き込まれます。

RAID0のしくみ
RAID0のメリット
  • 構成するHDDの台数に比例してアクセスが高速になる。
  • 構成するHDD全ての合計容量を利用でき利用効率が高く、容易に大容量の単一ストレージを作成できる。
    構成するHDDの容量が異なる場合は合計容量を使い切れない。基本的にRAIDでは同一容量のHDDを使用する事が推奨される。
RAID0のデメリット
  • 耐障害性は無く、構成するHDDのうち一台でも障害が発生すると動作不能となる。
  • 構成するHDD台数に比例して故障する確率も高くなる。