「仕事で普段使っているノートPCの調子が悪く、別のデスクトップPCにデータをコピーしようとしたところ、フリーズしてしまった。その後再起動してもクルクル回っているだけで一向に起動しない。なんとか急ぎの仕事のデータだけでも取り出してもらうことはできませんか?」とご相談をいただきました。

ノートPCはdynabook G 2019年のモバイルノート 型番はP1G8JPBLです。

「再起動してもクルクル回っている」これはWindows Boot Managerも一応読み込むレベルにまでは到達している、すなわちSSDが完全に死んではいない、ということを意味しています。データは取り出せる可能性はゼロではないということです。
お預かりして分解します。

裏蓋を開けました。SSDが見当たらない・・・黒いペラペラの下はメモリ。ひょっとしてマザーボードも外さないとだめかな?

ネジを全部はずし、マザーボードを取り外しました。裏側にSSDが装着されていました・・・オンボードではなくて良かった。

SSDは東芝のKBG30ZMV512G NVMeの512GB SSDです。製造は2018年。
とにかく診断機に接続して読み込んでみます。認識は遅いながら一応SSDとして起動します。ディスクイメージを走らせると停止します。これは大量の不良素子が出てきて水面下で代替処理が開始されるものの、代替領域が枯渇、あるいは読み取れないなどの理由で処理が完了できない場合によく見られる症状です。
今回、急ぎの仕事データだけでも取り出せるか、とご希望をいただいておりましたが、必要なデータを優先して取り出せるには条件があり、1つ目は「ファイルの名前が正確にわかること」、2つ目は「MFT(マスターファイルテーブル)が読み込めること、3つ目は「必要なデータが書き込まれているセクタに一つも欠損がないこと」。の3つの条件が揃う必要があります。
たった一つのファイルなら簡単に取り出せるだろう、とお考えの方も多いかと思いますが、それは平常時はファイルシステムが何の問題もなく読み込めるから実現できていることです。
障害が発生して、ファイルシステムが利用できなくなると、データのファイル名もわからず、広大なSSDのどこに保存されているかもわからなります。そのため、まずはMFTが読めるか、生きているかが非常に重要なポイントとなってくるのです。
今回、MFTは一部破損していたものの、解析によりご指定データの位置を特定することができ、かつ、そのデータが書き込まれているセクタも破損なく読み込めることが判明したので、急ぎで必要なファイルのみ、回収次第ダウンロード納品、その他データは後日という方針でお見積りし、即決済をいただきました。
その後1周間程度かかりましたが、全領域の99.9%まで回収でき、新しく購入されたPCにデータをコピーして納品させていただきました。
ご用命いただき、ありがとうございました。

