データ価値の向上や関連製品の低価格化などを追い風に、RAIDの導入が増加しています。データ保護に大きな役割を果たす反面、適切な運用をともなわないとかえってデータ喪失の原因ともなりかねないRAID。そこで、今回はRAIDの基本的な知識を解説します。
「RAIDの種類」でも解説しますが、各RAIDレベルによってそれぞれメリットとデメリットがあります。更に、あまり言及されることはありませんが、RAIDにはその「安全性」のイメージが強いが故に忘れられがちな「弱点」が存在します。RAIDを導入する際はこれらの弱点を把握し、対処を考えた上で運用するようにしましょう。
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特にRAID1(ミラーリング)を導入する際に勘違いされがちですが、RAIDには「誤って削除してしまったデータ」を元に戻す機能はありません。
RAID1の場合、同時に2台以上のHDDに同じデータを書き込みますが、削除操作もほぼ同時に処理されます。 削除したデータを一定期間復旧できるようにするには、Windows Server 2003のVSS(ボリューム シャドウコピー サービス)やテープメディアなどへの定期的なバックアップが必要です。 |
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HDDを通常よりも余分に内蔵して構成するRAIDですので、当然使用する機械の数も増加します。機械が増えるということは、「故障する可能性のあるパーツも増える」、つまり「故障機会」も増えるということにつながります。 例えば、年間1%の故障率のHDDがあったとします。このHDDを一台使用しているだけならば、年間を等してHDDが故障する確率は1%です。ここに同じ故障率1%のHDDを追加して同時に運用した場合、年間の故障率は約2%に増加します。 つまり、単純に故障率だけで見ればRAIDを導入した場合の方がHDDをたくさん使用しますので、故障率が増加してしまうのです。 特にRAID0を導入する際はこの点に十分気をつける必要があります。RAID0ではHDDが一台故障しただけでシステムが停止してしまいます。つまり、一台のみで運用するよりも故障リスクは高いのです。 |
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各RAIDレベルには「ここまでは故障しても大丈夫」という冗長性の範囲があります(RAID0を除く)。この冗長性の範囲内で起きたトラブルには対処の手段が用意されていますが、この範囲を超えてしまった場合、当然の事ながら冗長性は失われ、システムは停止します。
例えばRAID5構成のシステムでHDDが一台故障しても、それは冗長性の範囲内なので動作が停止することはありません。しかし、HDDが一台故障した状態でもう一台のHDDが故障してしまうと、システムは停止します。これは構成するHDDの台数が3台であっても10台であっても変わりません。RAID5において、「2台のHDDが故障した状態」というのは、冗長性の範囲外なのです。 RAID5の冗長性を拡張したものにRAID6があります。これは、「HDD2台までの冗長性を確保」しますが、この場合も3台目のHDDが故障した段階で冗長性の範囲を超えます。つまり、「絶対安全」ということは無いということです。 この「どこまで故障しても大丈夫か」という点を忘れ、「RAIDだから安心」と考えがちな事が、ある意味RAID最大の弱点かもしれません。 |
| RAIDでは、使用するHDDを同じメーカーの同じ型番の物を使用することが推奨されています。これは、同じ容量のHDDであってもメーカーや機種が異なるとセクタ数やディスク回転速度、転送速度などに違いがある為、効率が低下する場合などがある為です。 ところが、同じHDDを使用すると言うことは、ある意味使用するHDDの品質は大体同じです。特に、使用したHDDのロットに固有の問題が発生した場合、同時期に複数のHDDが故障してしまう場合があります。 |
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先に説明したとおり、RAIDでは誤削除データを復旧する事はできません。また、停電などの電源トラブルに関しても、RAIDでは対策が取れません。その為、RAIDを導入するか否かにかかわらず、テープドライブなどのバックアップシステムとUPS(無停電電源装置)の導入を必ず行う事をお勧めいたします。
ただし、現在発売されているバックアップ用テープはLTO ULTRIUM3を使用した場合で400GB(圧縮時800GB)となりますので、テラバイトクラスの容量を持つサーバでは、テープRAID等を使用しないとバックアップが取れません。最近ではTeraStationなどのRAIDネットワークドライブ(P-NAS)をバックアップ用ドライブとして使用するケースもあります。バックアップに関しては、バックアップ頻度や必要な保管期限、導入・運用コストなどを元に採用するメディアを検討する必要があります。 |
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