基礎から押さえるRAID講座

RAIDとは何か?(1)

まずはRAIDの基本的な知識を解説します。RAIDとはどういうもので、どういったメリットがあるのか、基本的なイメージをつかむ所から始めましょう。

RAIDとは

この世に初めて「RAID」の概念が誕生したのは今から20年前、カリフォルニア大学バークレー校のDavid A.Patterson氏、Garth Gibson氏、Randy Katz氏の共同論文

A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks(安価なドライブを組み合わせることで冗長性を持たせる仕組み)

によります。この頭文字を取って「RAID」という言葉が生まれました。
Garth Gibson氏のホームページ:「A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks」が掲載されています。

この論文のタイトルが表しているとおり、RAIDとは安価な複数のHDDを使って「冗長性」を確保する事を目的とした仕組みです。冗長性の確保された状態とは「本来であれば余分なものを付加することで可用性が高められている状態」の事。「余分なもの」とは、本来のデータ保存用のHDDの他に追加する余裕分のHDDの事です。つまりRAIDを簡単にイメージすると、「HDDを余分に追加して壊れにくくしたディスクアレイ」となります。 またRAIDには、冗長性と共に容量の小さなHDDをまとめて一つの大きなHDDとして扱えるようにする目的があります。当時の容量の小さい、安価なHDDを上手に活用する為に考え出された仕組みなのです。

RAIDとは、安価なHDDを複数組み合わせて「冗長性」+「容量増大」を実現するしくみ。

RAIDとは、安価なHDDを複数組み合わせて「冗長性」+「容量増大」を実現するしくみ。

ちなみに、この論文が書かれた当時は信頼性が高く、容量の大きなHDDは非常に高額であり、この論文も「安価な」HDDを使用して低コストで高信頼性・大容量のディスクアレイを構築することを目的としていました。その為「Inexpensive(安価な)」という単語が使用されています。しかし、現在ではHDDの価格も下がり、コスト削減よりも安全性の向上が求められていることから、替わりに「Independent(独立した・個別の)」を使用して紹介されることが多くなっています。

RAIDレベル

論文「A Case for Redundant Arrays of Inexpensive Disks」では、仕組みの違いによりRAID1からRAID5までの5種類のRAIDレベルが定義されています。この内、現在も実際に使用されているのは、主にRAID1とRAID5の二種類だけです。他のレベルは(かつて利用されていたものもあるにしろ)現在ではほとんど使用されていません。

ちなみに、複数ドライブ(通常2台)に交互にデータを書き込む「ストライピング」構成のものを「RAID0」と呼びますが、これは先の論文では定義されておらず、また冗長性も確保されないことから「0」番が付与されたと言われています。

基本的なRAIDレベルは冗長性を確保したRAID1~5と冗長性のないRAID0の6種類

基本的なRAIDレベルは冗長性を確保したRAID1~5と冗長性のないRAID0の6種類


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