トラブルは「機種変更」で起こる

「スマートフォン、買って3年にもなるし、見た目も古くなってきたのでそろそろ買い替えかな。
おっと、その前にデータの整理でもしておこうか・・・」
「いらないデータを消して、フォルダを作って整理して、これでよし。」
と、うまくいけばいいのですが、ここでトラブルが発生します。

「いらないデータが消せないぞ・・どうした?」
「写真の移動ができないぞ????」
「おいちょっと待て「カードが挿入されていません」だと?」
・・・完全に詰んだ

これ、MicroSDあるあるのトラブルです。実は私も同じような状況になりました。
もっとも、定期的にバックアップを取っていたので助かったのですが。

しかしなぜ、このようなことが、機種変更のタイミングで起きるのでしょうか?多くの方は、MicroSDをスマホと一緒に購入し、何年もそのまま使っているかと思います。その古くなったMicroSDに対し、「大量の書き込み」を発生させてしまうからです。

え、整理だけで書き込みなんかしてないけど?と思いますよね?データを整理するという状況を考えてみましょう。

MicroSDの中にある「NAND型フラッシュメモリ」はデータを取り出すにはそれほどストレスはかかりません。
撮りためた写真や動画を再生するには問題は表出しないのです。ところが、これは「いる」「いらない」とマークを付けて削除処理を行う、フォルダを作って、移動をするという処理には「書き込み」が発生するのです。NAND型フラッシュメモリは原理上、書き込みには非常に大きな負荷がかかるのです。

NAND型フラッシュメモリへ書き込み場合、「ブロック」という大きな単位で処理を行います。「削除」フラグという、たった1ビットのマークを付けるだけでも「ブロック」単位での書き込みが発生します。

NAND型フラッシュメモリには寿命があり、数年使い続けると、メモリが故障してきます。そうすると、MicroSD内部では、故障したメモリの代わりに、スペアのメモリを割り当てるという動作を行います。この処理はユーザーから見えない水面下で自動的に行われます。スペアがなくなったり、大量の不良メモリが発生すると、「これ以上処理は受け付けられない」とすべての動作を停止してしまうのです。

これがカードが認識されなくなる原因です。認識されなくなったカードは大掛かりな外科手術が必要となります。
当ブログでおなじみのこの処置です。

MicroSDカードの裏面を削り、コンタクトピンを接続して強制的に回収する

では、このようにカードが認識できなくなることを避けるにはどうしたらよいのか?
それは機種変更時に整理をせず、入っているデータをパソコンに全部取り出すことです。
整理はパソコン上でゆっくり行ってください。

そして、MicroSDにたとえ不具合がなくとも、1年おきに買い替えることです。
MicroSDにはHDDにあるようなSMART機能がなく、水面下で故障が発生しているのを覚知しにくいのです。

写真の一覧を表示させるのに遅くなった、動画がコマ飛びするようになった、というのは故障の前兆です。
大切なデータを失わないために、ぜひ頭の片隅にでも覚えておいてください。

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