I-O DATAのポータブルHDDがUSBに接続しても動作している様子がないとご依頼いただきました。
![I-O DATA HDPS-U](https://www.data-sos.com/wp-content/uploads/2024/06/IMG_3727.jpg)
型番はHDPS-U500(K) 容量500GBのポータブルタイプのHDDです。
![HDPS-Uの裏側](https://www.data-sos.com/wp-content/uploads/2024/06/IMG_3728.jpg)
ケースを分解すると、中のHDDはWestern DigitalのWD5000BEVTが装填されていました。ラベルを見ると2009年4月製造で15年ほど前の製品です。
![HDPS-Uの内部 WD5000BEVTが内蔵されている](https://www.data-sos.com/wp-content/uploads/2024/06/IMG_3729.jpg)
診断装置に接続し、電源を入れてみるとやはりウンともスンともいいません。このようにモーターが回転しない場合は考えられる可能性が3つあって、一つは裏側の制御基板の故障、二つ目はヘッドがプラッターに固着している、3つ目は モーターそのものの故障です。長期に使用しているHDDの障害で多いのは一つ目の制御基板の故障です。基板の電子部品の劣化により部品が劣化し、通電不可能な状態に陥ることが多いです。今回ご依頼いただいたHDDも過去の写真の保管用として普段は接続せずに引き出しにいれて保管してあったそうです。このような場合、同一のHDDの基板を乗せ換えれば動くのでは?と思いますが、モーターは回転するようになりますが、Ready状態にならずデータにアクセスすることはできません。基板には型番は同じでも一つ一つに異なるパラメーターがあって、そのパラメータが合致しないと動作しないからです。
![HDPS-Uの制御基板部分](https://www.data-sos.com/wp-content/uploads/2024/06/IMG_3730.jpg)
このHDDもやはり制御基板の故障で、処置を行うことにより正常に認識し、保存されていたほぼすべて写真データを復旧させることができました。普段使用していないHDDは買い替え時が難しいですが、半年に一度程度は通電して動作させ、5年くらいで移し替えをすることをお勧めします。お客様も「もうあきらめるしかない」と思っていたそうで大変お喜びいただけました。ありがとうございました。