G-DRIVE ev RaW 0G04104 認識しない

認識しなくなったG-DRIVE ev RaW 0S04104

Macで使っているポータブルHDDが認識できなくなったとご依頼いただきました。

G-DRIVE ev RaW 0G04104
G-DRIVE ev RaW 0G04104

G-DRIVE ev RaW 0G04104 容量1TBのHDDです。元々はこの筐体に青いゴム製のバンパーが装着されています。

分解したところ
外付けSATAコネクタがある

分解します。このHDDはちょっとギミックがあって、HDDもUSBだけでなく、SATAコネクタも接続できるようになっていますが、中間基板が原因で認識できなくなっている可能性もあるため、診断は外してHDD単体で行います。

HDDは2.5インチのSATA、HGSTのHTS721010A9E630、2016年1月製造です。

HGST HTS721010A9E630 1TB

まずPC-3000に接続して状況を確認します。通電すると正常にSPINし、IDもシリアルも容量も返します。
S.M.A.R.T、自己診断記録を確認すると、Reallocated Sector Count 代替セクタの割り当て、Current Pending Sector Count 保留中のセクタが記録されています。このHDDは読めないセクタが多く発生していることがわかります。

S.M.A.R.Tを確認すると代替セクタの割り当て、保留中のセクタが発生していることがわかる

続いて、PC-3000にてプラッタ上のデータを読ませてみます。このHDDは2P4H、2枚のプラッターの表裏に1個ずつ、計4つのHeadが配置された構造で、データは4面に分散記録されています。Head0面、1面から一定の長さで順調に読み進められるものの、Head2面に差し掛かかるとBusyとなり、認識が外れます。Head3番面は問題なく読み取ることができています。

このHDDは2番のプラッターかHeadに問題がありそうです。プラッタの後方を読ませてみると、高速で読み進めることができています。つまり、このHDDは2番面の前方一部にダメージを受け、Headには問題は出ていないものの、動作が不安定な状態に陥っている状況であることがわかりました。

上記の診断結果とお見積りをお客様にご報告したところ、ご承諾を得られましたので、本格的な作業に着手します。
2番面のセクタ状況をビジュアル化するとこんな感じでした。

黒いのが不良セクタ、黄色は反応が遅くジャンプしたセクタ 状態がよくないのがわかる

緑色は正常に読めたセクタ、黒色は不良セクタ、黄色は反応が遅くスキップしたセクタです。1回目の読み取りでは大きなブロックがスキップされています。

不良箇所を様々な手法で読み取りを重ね、最終的に19億セクタ中1.8万セクタまで減少させることができ、18万ファイル930GB中、5ファイルのみ破損と症状が重い割には好成績で復旧させることができました。

お客様にも大変喜んでいただくことができました。ご依頼いただきましてありがとうございました。

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