東芝 ポータブルHDD Canvio HD-AB50GW 挿しても認識しなくなった

東芝のポータブルHDD Canvio HD-AB50GWです。
Macに挿しても認識しなくなった、とのことでご来店いただきました。

分解すると、内部は東芝製2.5インチ500GBのHDD MQ01UBD050 が搭載されています。
Canvio HD-AB50GW 分解するとMQ01UBD050が内蔵されている
一般的なポータブルHDDの場合、SATAのHDDにUSBの変換基板がくっつけられていますが、
このHDDはSATAではなく、USBのインターフェースしかありません。
SATAコネクタはなくUSBしかない

この、USBインターフェースでは読み取りの細かい指示が出せないため、互換があるSATA基板にROMなどのパラメーター情報を移植する、というプロセスが必要となります。

御見積を提出し、作業依頼となりました。
お子様の動画が入っているため、できる限り復旧したいとのご希望です。

移植は成功。細かい指示が受け付けられる状態となり、やっとスタートです。
MQ01UBD050から取り外した基板
1プラッター2ヘッド。
ヘッド0番側は正常に読めますが、1番側は一定周期で読み取りが停止しハングアップします。
不良セクタが発生し、代替処理を行って、その代替処理の管理情報に異常を来すとこのような症状が出ます。
すなわち管理情報に異常を発生させるほど大量に不良セクタが出ているということが予測されます。

上の緑はヘッド0番側のセクタ。緑は正常に読めています。
下の黒は正常に読めなかった個所。オレンジは特殊な方法で読めた個所。
この黒をなんとかオレンジに変えられるように様々な手法を駆使して詰めていきます。
不良セクタが多発している状況

1回目の読み取りで25GBの読み取り不良
2回目の読み取りで7.8GB
3回目で・・・を繰り返し、
現在9回目の読み取りで2.12GBの不良まで詰めることができました。

たった1セクタ読めないだけでファイルは読めなくなってしまいます。
もう1セクタ取れればこの動画は助けられる・・・と思いを巡らせながら取り組んでいます。
もうしばらくお待ちください。

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