NASで運用されていたTOSHIBA DT01ACA100、クローンが取れないと言われた

他店でクローンが取れないと返された東芝DT01ACA100

NAS(ネットワークHDD)機器で運用されていた、TOSHIBA製のハードディスクです。単体で持ち込まれました。型番はDT01ACA100 。データが見られなくなり、他社に持ち込んだところクローンが取れないと返されたとのことでした。

他店で「クローンが取れない」と返されたDT01ACA100
他店で「クローンが取れない」と返されたDT01ACA100

診断用の機械で通電すると正常に起動し、認識するものの、データの読み取り指示を行うとBUSYとなりフリーズ状態が確認されました。SMARTを見ると代替処理が保留になっています。

SMARTの状態 Current Pending Sector Countが記録されている
Current Pending Sector Count 代替処理が保留状態

この症状はプラッタに障害が発生している典型的な症状です。
通常HDDのファームウェアは障害を検知すると、発生しているブロックを、あらかじめ用意されている代替領域へ付け替え動作を行います。しかし一度に大量の障害が発生したことにより、この処理ができず、結果として動作中にフリーズを起こしている状態です。このような症状の場合、専用の復旧機材にてフリーズを抑制して強制的に動作させ、セクタ単位でデータの回収を図ります。

さらに、複数プラッターで構成されているうちの、1つの面のダメージが大きく読み取り速度が著しく遅い状態でした。このような場合、漫然と読取を進めるとヘッドが摩耗することから、最初にダメージの少ない面の回収から進めていきます。

問題があるHead0番面を止め、Head1番面を先行で取る
ダメージが大きい面のHead動作をいったん止めて回収を行う

時間をかけて、最終的にダメージの大きな面からも、データの回収に成功しました。
ご用命ありがとうございました。

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